テレビに流れているマティスの番組を見ている。美術番組というのは、これは美術館も同じことなのだけれど、期待して待ち構えて見るような場合それほど感心しないことがほとんどである。たまたまテレビを見ていたらマティスとか、旅行中に目的を見尽くして仕方なく美術館に行ったらまさにこれだよ、というほうが心を動かされることが多い。
テレビではマティスの赤色を探っていて、マティス自身もマティスの絵を見ている僕たちも色の感じかたは人れぞれなんだなと、あらためて思う。現実的に、他人の目を借りてものを見ることはできない。それぞれの世界観に共感したり何したりしている。
九州に行ってきた。冬の九州の光は僕には黄色味が強すぎて、とくに逆光のときには目がチカチカするくらいだ。その光が黒緑色の常緑樹の葉を照らしているものだからコントラストが強すぎて、まったくの平穏という気持ちではいられない。サングラスをかければよいのかもしれないけど、僕はサングラスをかけると天気が気になってしかたがなくなり、平穏ではいられなくなるのである。青空の彩度が無くなって曇り空に見えるから、そろそろ雨が降ってくるんじゃないだろうかととても不安になる。人それぞれだと思うけど、みんなそんなこと無いのだろうか。